1月6日火曜日。クリニックは比較的平穏。昼は近隣の在宅患者さんのところへ往診。正月も大過無く過ごされた様子で何より。夜は今年初めての大和市医師会の理事会。こちらも重大案件は無くて8時半頃には早くも終了。
正月に「なぜ聖路加に人が集まるのか」(福井次矢著、光文社)を読みました。著者は聖路加国際病院の院長。本書の中で、医療崩壊が叫ばれる医療の現状や医学教育の問題点を浮き彫りにし、理想の医療を実現するための提言をされています。
緒言の中で著者は「残念なことに、今の日本で理想的な医療を提供しようとすると、病院経営はとても難しくなります。まず医療費抑制ありき、という現行の診療報酬制度のもとでは、医療機関は必ずしも提供するケアに見合った収入が得られないのです。聖路加では他の病院と比べて圧倒的に多い数のスタッフを雇用しているため、収支は長年赤字が続き、様々な支出カットや他の収入源確保によって、なんとか経営が保たれているのが偽らざる実態です。」と述べています。聖路加でさえそうですから、他の多くの医療機関では・・・。
長年の無責任かつビジョンの無い医療政策の下で医療費は抑制され続け、病院の経営は悪化、さらに医師数の削減策による医師不足が顕在化し、過熱する医療事故報道で医療現場は萎縮し、度を越えて理不尽な難癖をつけたり医療費を払わないモンスター・ペイシェントが増加している・・・。
医療の世界も難題山積です。今年は少しでも良い方向へ向かうことを願うばかりです。
コメントする