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島秀雄の世界旅行

3月14日土曜日。朝のうちは曇り空でしたが、夕方には天気が回復して来ました。

クリニックは午前はそこそこの混雑でしたが、午後は患者さんが少なく手持ち無沙汰。このまま今日はのんびり終了かと思いきや、なぜか診療終了30分前から患者さんが増えました。

かぜやインフルエンザ、感染性胃腸炎などの感染症の患者さんも一段落です。

今週は「1936-1937島秀雄の世界旅行」(島隆監修、高橋団吉文、技術評論者)を読破(読破とは言っても半分以上は写真です)。島秀雄は戦前は鉄道省で蒸気機関車D51などの設計、戦後は国鉄工作局長として湘南電車などをプロデュース、技師長として東海道新幹線建設の指揮をとった人物。のちに初代宇宙開発事業団理事長になっています。この本には島秀雄が鉄道省の在外研究員として1936年3月から1年9ヶ月もの世界一周の海外視察旅行に出た際に持参したライカで記録した当時の貴重な記録写真の数々が収められています。コースは欧州航路で東南アジア、インド、エジプト、スエズを通って欧州へ。その後、南アフリカから南米、北米、太平洋航路で帰国という正に世界一周。

時は第2次世界大戦前、ドイツのヒットラーやイタリアのムッソリーニが台頭し風雲急を告げる時代。本書には鉄道関係ばかりでなく当時の街の様子やベルリンオリンピックの様子、小さく写ったヒットラー、当時の観光パンフレットや地図などの資料も掲載されています。同行者は後に初代国鉄総裁になった下山定則(昭和24年に総裁就任からわずか36日目に轢死体で発見されるいわゆる下山事件の被害者)や2代目総裁の加賀山之雄など少壮のエリートたちでした。それにしても1年9ヶ月もの長期にわたる海外視察とは当時の鉄道省は太っ腹。海外列強に追いつくための人材育成には経費を惜しまない明治以来の良き伝統でしょうが、今では考えられないことです。汽車ばかりの内容ではないのでフツーの方にもお勧めです。

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