1月3日は休日夜間急患診療所の当番に当たっていて、朝9時から夕方5時までの勤務でした。年末年始で体調を崩された方が大勢受診されて切れ目なし。普段は大人よりも子どもの方が多いのですが、今回はなぜか大人が2/3以上を占めました。感染性胃腸炎が大流行中。インフルエンザはA型、B型混在していましたが合わせて10人程度で、こちらはこれから本番でしょう。
そんな訳で今年は三賀日から結構しっかり働かせて頂きましたが、4日はまたお休みさせて頂くので、診療終了後に頑張って夜の上野駅まで行って来ました。もちろん3月15日のダイヤ改正で廃止されることが決まっている寝台特急「あけぼの」を見るためです。
上野駅は大きな荷物を持った人たちで混雑していました。
「あけぼの」は上野と青森を秋田経由で結ぶ寝台特急。国鉄時代に誕生したブルートレインとしては唯一の存在になってしまいました。当初は福島から奥羽本線を経由していましたが、現在は日本海側の径路(高崎線、上越線、羽越本線、奥羽本線)を辿って青森まで。
入線時刻が近付くと13番線ホームは“鉄”や故郷へ帰ると思しき方々で大賑わい。
13番ホームには寝台列車専用の待合スペースも設けられていました。消されている文字は2010年3月に廃止された「北陸」だったのでしょうか。
21時少し前、静々と推進運転で「あけぼの」が入線して来ました。上野駅13番ホームは昔ながらの行き止まりホーム(頭端式)なので、機関車と連絡を取りながら客車の貫通ドアを開けて前を監視する「ラッパ屋」さんが乗っています。
編成は電源車を入れて9両。青森車両センター所属の24系寝台車。塗色はオリジナルのブルーです。
昭和48年から52年にかけて製造された車両たちですが、経歴がそれぞれ異なるので、白帯車と金帯車が入り混じっています。
残念ながら「北斗星」や「カシオペア」のように食堂車やロビー、シャワールームなどの贅沢な設備はありません。
その代わり編成両端1号車と8号車の「ゴロンとシート」が設定されています。「ゴロンとシート」はB寝台車だけど浴衣、毛布、枕は無し。その分寝台料金はかかりません。そう「あけぼの」は日常使いの寝台列車、庶民派なのです。1号車は女性専用車で男性は立ち入り禁止(小学生は可)。明らかに高速バスを意識した対策でしょう。
一般の開放式B寝台車は2、3、4号車の3両。こちらには浴衣、毛布、枕が付きますが、それで6300円プラス!?。
個室B寝台「ソロ」は5、6号車の2両。窓が上下2段に並んでいる特徴的な外観。
B寝台は開放式でも個室でも料金は同じ。個室はセキュリティー、プライバシーは完璧ですが、狭くて圧迫感があるし反対側の景色が見られないので、好みの分かれるところ。
そして7号車が「あけぼの」随一の豪華車両、A寝台の1人用個室「シングルデラックス」スロネ24です。個室内に洗面台はありますが、シャワーやトイレまでは・・・。
ホームの先端まで来ると大きなエンジン音を響かせて電源車のカニ24、そして長岡までの直流区間を担当するEF64型電気機関車1000番代が連結されています。この機関車は上越国境を越えるために国鉄時代に開発された強力機。長くて非対称のボディが特徴です。
今日はラストナンバーの1053号機が担当。国鉄が製造した最後の直流電気機関車です。
所属は長岡車両センター。
登場時から変わらぬ「あけぼの」のヘッドマークは夜明けの海を表現したもの。
シンプルだけど上品なデザインで、個人的にはお気に入りのマークです。
発車のオルゴールが鳴ると、ホームには殆ど人影が無くなりました。ということはあんなにたくさん写真を撮っていた人達の多くは乗客だったということでしょう。
定刻の21時16分、僅かの見送りの人を残して発車して行きました。
今夜13番線から発車する列車は「あけぼの」でおしまい。かつての上野駅の活況が信じられません~。
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