5月9日月曜日と5月10日火曜日は両日とも曇りのち雨のスッキリしない天気になりました。朝は16~18℃、日中は21~22℃。
大型連休明け(人によりますけどね~)でしたので、大混雑になるかも・・・と気合を入れて朝の診療に臨みましたが、皆さん裏をかかれたようでズッコケました~。その代わり遅めの時間になって混雑する厭なパターンに。
診療終了後は2日連続で大和市医療センターへ。月曜日は会計がらみの会議、火曜日は大和市医師会理事会。連休のあと、鈍った身体には辛い日々でした。
さて今日は連休中5月4日の高田行きの続き。雪国独特の雁木の下を散策しながら「高田世界館」へ。実は今回の高田行きの最大の目的はここを訪れることでした。
高田世界館は築105年、現役で営業している日本最古級の映画館。1911年(明治44年)に芝居小屋「高田座」として開業し、その5年後の1916年(大正5年)には「世界館」と改称されて常設映画館となったそうです。
道路側から見ると、世界館への入口に繋がる雁木の看板跡には「高田日活」の文字が薄っすら残っていました。
2007年まで日活として営業していたそうです。
老朽化に追い打ちをかける新潟中越沖地震(2007年7月)によるダメージで、あわや廃業、取り壊しかとの危機に晒されましたが、有志による保存活動が始まって、2009年にNPO法人が設立されて市民プロジェクトとして、再生、修復が現在も進んでいます。
建物は道路に面していないので全体は眺め難いですが、開業当時はかなりモダンな建物だったことでしょう。
私が高田世界館を知ったのは3ヶ月ほど前のテレビ番組(夜11時25分から再放送していたNHKのEテレ「U29人生デザイン」)。俳優の松坂桃李さんが、再生、修復に取り組む支配人(まだ20歳代です)にインタビューしているのを見たのが最初でした。それ以来“行きたいリスト”に入っていましたが、ゴールデンウィーク限定の館内見学ツアーが催されるとのことで足を延ばしたのでした。
雁木の狭い路地を入って行くと入口。
見学ツアーは14時10分と16時00分の2回、上映の合間を縫って開催されていました。時間が近付くと、どこからか“映画ファン風”の老若男女が集まって来ました。
ロビーには飲料の自動販売機と数脚の折りたたみ椅子があるのみ。中に声が聞こえてしまうそうで、静粛にしていなければなりません。
映画の上映が終わって数人の観客が出て来たところで、見学ツアーがスタート。扉を開けてまずは1階客席部分へ。中へ入ると・・・そこには時空を超えた空間が広がっていました。
見上げるとアール・デコ調のニス塗りの天井。もともとシャンデリアが取り付けられていた部分には、1741~1871年に越後高田藩を統治した榊原氏の家紋。
下の写真はスクリーン側から入口側を振り返ったところ。映画館には珍しい2階席があるのは、元が芝居小屋だったからでしょう。
芝居小屋だった当時は桟敷席だったそうです。綺麗に修復された椅子の背中に取り付けられた小プレートには寄付をしてくれた方々の名前が刻まれています。有名な映画監督や俳優さんの名前も。
狭くて急な石造りの階段を上がって2階席へ。
1階は140席、2階は41席。
2階席中央部分の小部屋が映写室。中へ入ると大きな35mm上映用映写機が2台。
デジタルの時代に今や貴重な存在ですが、部品の調達もままならなくなって来ているようです。
傍らの作業台には35mmフィルム編集用の小道具たち。
実際に映写機にかけるフィルムはかなりの重さ。
本日これからの演目は「東京流れ者」。渡哲也主演、鈴木清順監督作品。う~ん、知らない・・・。
映写機にフィルムをセッティングして、14時30分に上映開始!。
2台の映写機に交互にフィルムをセッティングしていきます。全8巻の作品。
上映が始まったところでソッと静かに映写室から退出。見学ツアーはそれで終了。いや~、予想外に面白いツアーでした。
その後、道を隔てた明治時代の町家「旧小妻屋」を再生・活用した交流館「高田小町」を覗いたり・・・。
「旧今井染物屋」を見学したり。
どこも見学している人は疎ら。見どころ満載なのに勿体無いことで。
見せるための造られた街並みでは無いところが凄いところ。
以下は駅へ戻る道すがらのスナップ。
逆光に輝く高田駅へ戻って来ました。
高田発16時11分のえちごトキめき鉄道で上越妙高へ。
車窓も車内ものんびり~。
上越妙高には16時18分着。下の写真は駅舎から見た西側の山容。
新幹線の乗り継ぎはあまり良く無くて、上越妙高17時13分発の「はくたか570号」。
新幹線の車窓から夕闇迫る長野工場の留置線が見えましたが、こんな車両や・・・。
こんな車両たちが!(わかる人にはわかる!?)。
軽井沢近くでは逆光の浅間山。噴煙も無くて静かな様子でした。
そして碓氷を下る頃にサンセット。
大宮には18時46分着。一日有意義に過ごしました~。