さて、だいぶ間が空いてしまいましたが、年内に今年夏のスリランカ紀行の続きを片付けねばなりません。今さらですがお付き合いくださいませ~。
8月13日月曜日の朝、スリランカの古都キャンディの高台のホテルで目覚めてカーテンを開けると、雨が降ったり止んだりの生憎の天気。
反対側の高台には白い仏像の姿。同じ仏教国でも日本とはだいぶ違う雰囲気です。
標高はたかだか300mほどですが、熱帯とは思えないほどの涼しさ。猛暑続きの日本よりもずっと過ごし易いです~。
早々に朝食を済ませてから市内を散策。
アジアらしい雑然とした街並みですが、他のアジアの国に比べると清潔。
果物店では熱帯だけあって種類が豊富。
中には正体の判らないモノも。
立派な白い建物は銀行でした。
高台のレイクビューポイントに上がれば・・・。
キャンディ湖とその周辺に広がる街の様子が良く判ります。
さて今日はいよいよ鉄道移動の日。昨日までストライキで全く列車が動いていなかったので半ば諦めていましたが、ギリギリ昨夜になって労使交渉が妥結。今朝から久しぶりに運転が再開されました。
そんな訳で列車を捉えるべく街外れにあるペラデニア駅へ。ここはコロンボからバドゥッラまでのメインラインの途中駅ですが、キャンディ駅はここから分岐する盲腸線の終点。キャンディ駅にはもれなくどの列車も立ち寄るので、キャンディ駅~ペラデニア駅間は折り返す運転形式です。ジャンクション駅のペラデニア駅舎は随分とこじんまりした感じでした。
時刻表を見ると各方面にそれなりの数の列車が走っているようです。
出札口はありましたが改札口は無し。
ホームに出てみると架線が無いのでスッキリした構内。線路の幅がずいぶん広く見えますが、それもそのはず軌間は広軌1676mm。因みに日本のJR在来線や小田急線などは1067mm。新幹線でも1435mm。
下の建物は信号所でしょうか。
分岐駅なので2本のホームがY字型でキャンディ方で合わさっています。
駅名標も行先案内もシンハラ語、タミル語、英語の並列標記。
2本のホームが合わさったホームのキャンディ方には仏様が祀られていました。
日本では姿を消した腕木式信号機も現役。宗主国だったイギリス風です。
駅には製油施設が隣接していてタンク車が留置されていました。
下の写真はキャンディ方からバドゥッラ方面を見たところ。
そしてコロンボ方面を見たところです。
Y字に配置されたホームの間には中庭があって正面が駅舎。
線路端には保線小屋?。
その前に掲げられた看板にはペラデニア駅は1867年に造られた古い鉄道駅ですとの掲示。スリランカではイギリスが1858年に敷設を開始したのが始まりだそうです。因みに日本で最初の新橋~横浜間の開業は1872年のことですので、スリランカの方が兄貴分。
ホームの上屋を支える柱に使われている古レールの刻印にも1895年とか・・・。
さらに1869年なんていうのも!。
駅構内をウロウロしているうちにキャンディ方からコロンボ方面行のローカル列車がディーゼル機関車に牽かれて入線して来ました。
3ドアの客車5両、3等モノクラス編成。車内は満員でした。
一番前と一番後ろの車両は半室荷物車。日本の国鉄式で言えば“ナハニ”といったところ。
冷房は無いので窓は全開~。
先頭の機関車にはClass W3のプレートが付いていました。
どうやら元は西ドイツの1969年ヘンシェル製のClass W1ディーゼル機関車を日本からの円借款で1997年に改造整備したのがClass W3のようです。
全長12m、重量61トン、1100馬力、最高速度80km。
到着後は乗客も乗員もホームで一呼吸。ひと昔前の国鉄では良く見られた光景。
でも外国人観光客の多くは乗り込む様子は無く、間も無くやって来る対向列車を待っている様子。
やがて乗客が乗り込んで発車合図とともに・・・あれれっ、来た道をバック!?。
駅構内の外れまで後退してから転線して戻って来ました。
わざわざ転線して駅構内の側線で対向列車を待避する様子。
乗客を乗せたまま側線でしばらく停車していると・・・。
ほどなくコロンボ方面から対向列車が入線して来ました。
こちらの車両はClass S12。2012年より導入されている山岳区間用の気動車で中国製です。
山岳区間の急曲線に備えて車体長は15m級と短め。1~3等車まで各クラスの車両が連結されています。
われわれはこの列車が隣のキャンディ駅まで行って折り返して来るのをこの駅で待ちます。駅の一角には小さな売店も。
しばらくすると先ほどの列車が向きを変えて入線して来ました。
これに乗って山岳地帯の紅茶畑が広がるヌワラ・エリアへ向かいます。下の写真は1等車内。
列車は厳しい勾配とカーブが続く山岳路線をゆっくりと走ります。生憎の雨模様で車窓の写真はあまり撮れず。
途中駅も由緒有りそうな雰囲気。
駅員さんの服装は上下とも白で凛々しい感じ。
列車はどんどん高度を上げて、車窓には急斜面に広がる茶畑が。
目的のナーヌ・オヤ駅までは約4時間の長旅でした。ここでほとんどの観光客風の乗客が下車。
天気が悪いこともあって上着があっても寒い~。
駅構内には小振りな貨車や客車が少しだけ留置されていました。
さてここから有名なセイロン紅茶の産地を巡りますが・・・。
長くなって来たので続きはまた後日に~。